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笠原 茂樹; 知見 康弘; 端 邦樹; 塙 悟史
材料と環境, 68(9), p.240 - 247, 2019/09
ステンレス鋼のBWR一次系水中環境助長割れ機構検討の一環として、荷重を付与したCT試験片を290Cの高温水に浸漬し、疲労予亀裂先端近傍の酸化物を観察した。酸化物内層は、Fe, Ni, Crを含むスピネル構造の微細粒、外層はFeOの結晶粒であった。FEM解析によるCT試験片亀裂先端の応力、ひずみ分布との比較より、塑性変形に伴う転位と弾性ひずみの重畳によって酸化物内層の形成が促進されることが示唆された。
菊地 賢司; 加治 芳行; 倉田 有司
Proc. of Int. Conf. on Materials and Mechanics'97 (ICM&M'97), p.607 - 612, 1997/00
Ni基耐熱合金ハステロイXRを用いて、高温クリープ変形及びクリープ亀裂進展試験を行い、試験片の形や荷重負荷形式間における破断時間の相違を、温度、応力パラメータで特性化した。用いた試験片は両側切欠き付き平板、中心孔付き平板、内圧円筒、切欠き付内圧円筒、CT、丸棒である。両側切欠き付き平板の高温クリープ試験(850-950C)よりクリープ亀裂成長速度より定式化したQパラメータを積分して得られる破断までの時間は、形式的に平滑材のラーソンミラーパラメータと同じ形に表現できるので、これを用いて、各試験片の破断時間を比較できる。このとき定数Cはそれぞれの荷重負荷形式によって異なる値をとるため、最適化する必要がある。その結果、C=18.5を得た。すなわち、ハステロイXRの場合には、T(logt+18.5)を用いれば破断時間特性を比較できることがわかった。Tは温度、tは破断時間である。
中島 伸也; 菊池 正明*; 嶋 誠之*
JAERI-M 82-149, 30 Pages, 1982/10
高温高圧純水中における配管材料のき裂伝播を測定する方法として電位差法に着目し、試験片形状、サイドグーブの有無、通電方法、電位差計測に及ぼす負荷レベルの影響等の検討を行った。この大気中での予備的試験の結果、直流電源を用い、一定時間間隔でそれの極性を交番して試験片に通電する方法を用いれば、CT試験への通電時間を短縮でき、長時間安定した計測を行なえることが明らかとなった。また、電位差計測において、負荷に伴うき裂先端の変形の影響がほとんど無視できること、疲労または静荷重によるき裂伝播においてき裂長さの比(a/w)と電位差の比(Va/Vo)により対応が見い出され、高湿高圧下での計測に可能性を見い出した。